カストル回

「無翼の天使」 ♯最後ノ足掻キ

1 実際、何が起こっているのかなんてわからなかった。いや、恐らくわからない方が良いのだろう。自分の周りには沢山の人が倒れている。誰だかわからないが、普通じゃないのは確かだ。そして、その倒れている人々の中で一人だけ、不敵に笑って立っている人物…

「無翼の天使」 ♯翼モ輪モ

1 アーク・トゥルスとベガの二人は噴水広場に落ちていた瓦礫に身を潜めていた。布らしきものを体に巻いている人物がいるところより200mほど離れているが、星の戦士の目は常人より凄いため、問題は無かった。 2人はここに着いたばかりなので状況の把握はしき…

「無翼の天使」 ♯仕上ゲ

1 「んん〜・・・見失っちゃったかぁ・・・・・・」 噴水広場の噴水に座っているフェイトはベテル・ギウスとポルックスの追跡から戻ってきたダークマターたちの様子を見てそう悟った。 「まぁ、捜せば見つかるよね、先にこっちを終わらせちゃおうかな?」 フ…

「無翼の天使」 ♯手助ケ不可能

1 宇宙最強・・・ その称号は誰かが勝手につけたものだった、自称ではない。だが、彼にはそれぐらいの実力があった。とても強かった。誰もがその人柄と強さに惹かれていた。アルタイルも、その内の一人だ。 『プレアデス星団団長実戦部隊「戦士(ウォリアー)…

「無翼の天使」 ♯『痛ミ』

1 未だに信じられなかった、信じようとしなかった・・・・・・信じたくなかった。 痛い・・・ものすごく痛い。これが『痛み』・・・体が重い・・・これが皆が感じてきた苦しみ・・・? そもそも何で『痛み』というものも知らない俺が副隊長の『痛み』なんか語…

「無翼の天使」 ♯接触

1 「よく聞けアーク」 いつの間にいたのか、扉の向こうからソルがよく通る声で言う。 「もうすぐベガとベテルが市民を連れてここに来るはずだ。外に出て彼女等を待っていてほしい。」 「・・・はい」 戦士はたくさん傷つくかもしれない、だがせめて市民だけ…

「無翼の天使」 ♯隠サレタ能力

1 頭の左側に生えている角が光り出した。しかし角自体にそんな発光能力はない。 これはカストルの能力が発動している証なのだ。 そんなことを知る由もないダークマターは迷わずカストルに攻撃を仕掛ける。バチッ、と雷が弾ける。 「ぬん・・・!」 6体分の雷…

「無翼の天使」 ♯一滴ノ勇気

1 「言葉」というものはトリックがたくさんある。 意味は違っても読み方が同じだったり、少しの発音の違いで意味がだいぶ変わったりする。 「自分はしていない」というのは「自分じゃない誰かがした」という意味でもある。一つ目に"誰かが何かを施した"。ア…

「無翼の天使」 ♯消サレル理由

1 デネブのすぐそばに、布らしきものを巻いた謎の人物が現れた。 「君は・・・?」 デネブには見覚えが無かった。翼は隠しているのかもしれないが"輪"が無いところを見るとどうやら星の戦士ではないようだ。 「君は・・・誰だ?」 デネブは再度質問した。謎の…

「無翼の天使」 ♯非道ト希望

1 二人とはぐれてしまった。 変な一つ目に襲われて必死に走っていたら、いつの間にか二人とはぐれてしまった。 頭の左側に角が生えているカストルは倒壊した建物の瓦礫の上に座っていた。どうやら撒くことはできたようだ。とは言っても油断はできない。建物…

「無翼の天使」 ♯襲撃開始

1 広場の中央にはベタな噴水が設置されている。その噴水は主に集合場所などに使われることが多いのだが、天界でも有名な観光スポットなのでスケッチや学校からの遠足などでメインの場所となっている。 そのほかにも下界と天界を結ぶ通路のようになっていたり…

「無翼の天使」 ♯静カナル来訪者

1 その頃・・・ 天界で最も大きな浮島に建っている神殿に謎の人物が現れた。 「・・・では、この件はすべて拒否すると?」 体中に布らしきものを巻いた人物は消えそうな声で問うた。 「ああ、この天界に天界人以外の生き物を住ませるわけにはいかない。お引き…