「無翼の天使」 ♯非道ト希望

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二人とはぐれてしまった。
変な一つ目に襲われて必死に走っていたら、いつの間にか二人とはぐれてしまった。
頭の左側に角が生えているカストルは倒壊した建物の瓦礫の上に座っていた。どうやら撒くことはできたようだ。とは言っても油断はできない。建物が倒壊しているせいで見通しが良くなっているのだ。すぐに移動したほうがいいだろう。
だが・・・
「二人と合流しないとな・・・」
一人で行動するのは危険だが、これでもカストルは実戦部隊(新米)。もし敵に見つかっても足止めするくらいならできる。まず優先すべきはポルックスとアークと合流し、星団のみんながいるところに行くこと。だが、
「どうやって二人を捜すべきか・・・」
天界には通信機器というものがあまり普及していない。その代り、星の戦士同士で周波数(番号)を交換し、テレパシーで連絡し合うことができる。だが、お互いが離れすぎると繋がりにくくなるという欠点がある。ちなみに自身の周波数(番号)を忘れると相手が覚えていても繋がらない。先ほどからカストルポルックスやアークに連絡をしようとしているのだが、一向に繋がる気配がない。
「うー・・・ん、しょうがない、移動するか。」
カストルはその場に立ち上がり、瓦礫から降りた。
すると突然
「・・・目標確認。プレアデス星団カストル』発見。」
「やべ、見つかった!?」
テレパシーに意識を集中しすぎて気づかなかった。
「捕獲を開始する。」
「くっ!?」
今は戦うよりも逃げたほうが良さそうだ。そう思い、一歩を踏み出そうとしたが、
出来なかった。

その先に五体ほどの一つ目がこちらを睨んでいたからだ。

「な・・・いくらなんでもこりゃ酷いだろ!?」
非道・・・この一言しか頭に浮かばなかった。たかが子供一人に六体も必要だろうか?それほどカストルが特別強いわけではない。
ただのひ弱な子供に過ぎない。
「あ・・・なっ・・・!?」
カストルの頭の中は真っ白になり、何もかも諦めかけた。
その時だった。
「おいおい、子供一人を大人数で囲んで楽しいか?生き物としては許せん行為だぞ?」
上から声が聞こえた。とても厳しくて、でもその中に優しさがあふれている声が・・・
カストルはゆっくりと顔を上へやった。
「副・・・団長?」
そこにいたのはアルタイルだった。アルタイルはカストルに『ニッ』と笑いかけ、
「そこにいろカストル、俺がお前を逃がしてやる。」
その一言を聞いただけでカストルの顔は自然に笑顔になっていった。


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べテルはアルタイルについて行こうとしたのだが「お前はみんなと市民たちを導け」とアルタイルに止められたのでしょうがなく星団に協力することにした。
「まぁまぁ、アルタイルだってべテルのことを思ってあんなこと言ったんだよ?」
優しい声で語りかけてくるのは同じ星団員の『ベガ』だ。どうやらさっきの話を聞いていたらしい。
「それでも、僕だって友達を捜したいんだよ・・・」
一人で待ってるのは嫌だ・・・小声でそう言ったのが聞こえた。確かに、安否のわからない友達をただ待つというのは並の精神では無理だ。誰だって捜しに行きたいに決まっている。
「・・・そんなこと、アルタイルだって知ってるよ。でも、もしべテルがアルタイルについて行ってべテルが傷ついたら、アルタイルは悲しむよ?」
「・・・・・・。」

フォーはそんな二人のやり取りを見ていた。そしてこんなことを思った。
「(・・・ベガは保母さんに向いてるな・・・)」


・・・続く!!
はい、今回もかなり短いっすorz
多分しばらくこのペースっすわw
学校が忙しいもんでorz

本日やっていた映画タイタンの戦い『ハデス』の声(日本語吹き替え)と
ゲーム「新・光神話 パルテナの鏡『ハデス』の声が
両方とも『大塚芳忠』さんな件ww