アンタレス回

「無翼の天使」 ♯一ツニ集イ始メル・・・!

1 それから二十分の時間が経ち、アーク・トゥルスが市民をつれて神殿に戻ってきた。どうやら何事も無かったようだ。 「帰ったぞ、市民を入れても構わないか?」 「ええ、大広間以外にも広いところはあるし、全然問題ないわ。」 ベガは20mある扉の両脇にある階…

「無翼の天使」 ♯次期星団長

1 目的地である神殿が見えてきた。今この状況で唯一明かりが点いている。ベガはそこを目がけて飛んでいく。 「着きました、こっちです!」 ベガの言葉を聞くと、後ろをついてきている市民は一斉に加速し出す。わっ、と市民の歓喜の声が聞こえてきた。安全で、…

「無翼の天使」 ♯時間感覚ノ麻痺

行間 アーク・トゥルスは暗い夜の闇をまっすぐ飛んでいた。ベガ率いる市民の団体を捜すためだ。そしてもう一つ、謎の時間のずれ・・・。この現象の実態を探るために、アークはひたすら空を飛び回っていた。 「(58・・・59・・・20分経過・・・)」 アークは…

「無翼の天使」 ♯原因ト結果

1 前にも書いたが、物事には必ず『原因』というものが存在する。右足を前に出し、次に左足を前に出せば歩ける。両足を交互に出すから歩ける。 『足を前に出す』という原因が無ければ『歩く』という結果は出ない。 「・・・つまり、『ダークマター族が攻めて…

「無翼の天使」 ♯憤リノ理由

1 プレアデス星団と、ダークマター達がお互いに向かい合う。 プレアデス星団はダークマターの急襲に焦りながらもしっかりと戦闘準備を整えていた。フォー・マルハウトが彼らの存在に気づいていなかったら、おそらくまともな状態でこの場にいなかっただろう。…

「無翼の天使」 ♯真実、余裕、ソシテ覚醒

1 ソルの言っていることの意味がまったく理解できなかった。いや、理解しようとしても頭が理解することを拒否していた。 「下界に・・・・・・逃げた・・・?」 少しずつ、アークは口を開きソルに意味を訊いてみる。自分が最も信頼している師が逃げた?冗談に…

「無翼の天使」 ♯失ワレシ希望ノ光

1 『神殿』よりもずっと北の方角に『七星の祠』という建物がある。その名の通り、そこに『北斗七星』がいる。『北斗七星』は滅多に表に出てこない。ほとんど祠の中で生活しているのだ。彼らは祠の中で何をやっているのか、それはソルでさえ知らない。 唯一『…