「無翼の天使」 ♯憤リノ理由

                       1
プレアデス星団と、ダークマター達がお互いに向かい合う。
プレアデス星団ダークマターの急襲に焦りながらもしっかりと戦闘準備を整えていた。フォー・マルハウトが彼らの存在に気づいていなかったら、おそらくまともな状態でこの場にいなかっただろう。だがフォーはギリギリで気づいた。彼のおかげで最悪の事態は免れた。
「てめぇらの目的はなんだ・・・何故こんなことをした!?」
フォーはダークマターを睨みながら一番知りたいことを訊く。噴水広場をはじめ、仲間、天界を問答無用で傷つけられた。理由が無いはずが無い。
「・・・・・・目的までは言えんが、貴様ら『プレアデス星団』を誘き出すために町を破壊した。ただそれだけだ。」
先頭にいる隊長っぽいダークマターが答える。
「俺らを誘き出すために・・・あんなひでぇことしたってのか、そんなことの為だけに!?お前ら狂ってるんじゃないのか!?」
フォーは精一杯自分の言いたいことを口に出した。ピクリ、とダークマターは初めて言葉に反応した。

「・・・冗談じゃない、狂っているのは貴様らだ!危機的状況に陥っている者たちがいるにも関わらず、天界でのんきに過ごして仕事を放棄した貴様らこそ狂ってるのではないか!?何が戦士だ、笑わせるなっ!!」

「なっ・・・・・・!?」
激怒していた。フォーやアンタレスプレアデス星団は何のことかさっぱりだったが、彼らの言っていることに嘘は無さそうだった。
逆切れではなかった。ダークマターはまるで自分達は被害者だと言っているような気がした。
もちろんフォーたちの身に覚えがない。彼らの事情も知らない。
「(・・・けれどそれとこれは別、今はこの状況をどうにかしなければ・・・!)」
フォーは先ほど彼らが言っていた言葉に少し戸惑いながらもそんなことを考えていた。
アンタレスが難しい顔をしているフォーの顔を見る。フォーはアンタレスの視線に気づいたのかアンタレスの顔を向き、微笑みながらこう言う。
「あいつらの言ってることは気にするな。俺たちはこの天界を守らなきゃいけないんだ。」
「・・・ああ、そうだな。」

互いに信念を持ちながら彼らはついに動き出した・・・


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ベガはただ唖然と見ていた。アークがダークマターを斬った。普通ならば避けることすら難しいほど速い突進をあっさり避けたばかりかダークマターの背後に回り込み、"光線爪(ネイルガン)"から実体のない爪を出し、斬った。これほどの動作を一瞬で・・・
「なるほど、自分たちは弱いから俺たちの切り札とか助けとかを封じたわけか・・・卑怯者の弱者がやりそうなことだ。」
もう一体のダークマターに言ってるのか単に独り言なのかわからないがアークはそう口に出した。
「だが、それがなんだ・・・!!」
アークはそう言い、一瞬で残ったもう一体との距離を縮めた。今のアークとダークマターの距離は約30cm。ダークマターが反応している暇すらなかった。
「なん・・・」
ズバッ、とダークマターが言い切る前にアークは爪を振り下ろしていた。ダークマターの形が崩れ、黒い雲へと戻り、その雲も消え去った。
その場に残っていたのはアークと、それを見ていたベガだけ。ベテルがその30秒後にベガに追いついた。

アークが会議室の扉の前から去り、ここに至るまでかかった時間はおよそ2分。
ベテルはそれを見ることすらできなかった当然つい先ほどまでダークマターがいたなんて知りもしない。
「・・・何が!?」
「・・・・・・。」
アークは何も言わずにどこかへ飛んで行ってしまった。
「アーク・・・!!」
ベガは追いかけようとしたが、ベテルに止められた。
「ベテル、離してよ!」
「やだよ、ソル様と約束したんだ!『ベガが無茶しようとしたら僕が止める』って!!アークは大丈夫だよ。」
「っ!!」
ベガは後輩を大事にする。そのためならどんな無茶だってする。だからこそベテルはベガを止めた。
「もしベガがアークを追いかけて行って、アークの攻撃に巻き込まれたりしてベガが傷ついたりしたら、僕は悲しくなるよ!だからお願い、行かないで・・・!」
「ベテル・・・」
ベテルはギュッとベガを抱いて離さなかった。
ベガは冷静を取り戻した。子供のわがままだと思う。けど、こんな自分を心配してくれる後輩がいるだけでベガの心は安らいだ。
「・・・・・・ごめんね。」
アークはきっと大丈夫だ。ベガはそう思い直し、自分の今やるべきことを考えた。
「っ!?」
ベガは突如誰からかの僅かなテレパシーを傍受した。内容は聞き取れなかったが、誰のものかは周波数でわかった。
「ベガ・・・?」
「・・・ベテル、あたしはもう大丈夫、もう無茶はしないよ。だからお願いがあるの・・・」
「?」
ベテルはベガを離し、ベガの話を聞いた。
「あたしはみんなのところに戻るわ。神殿に市民を避難させるようみんなに言ってくるから。」
「うん」
「あなたにはポルックスを捜してきてほしいの。」
「・・・なんで?ポルックスは副団長とシャウラさんが探しに言ってる筈でしょ?」
「うん、でもアルタイルからの連絡が遅すぎるのよ。あたしとアルタイルとのテレパシーはどこでも通じるのに、少しも連絡がないの。つまり、まだ二人は見つかってないか、連絡し忘れてるだけかなんだけど・・・」
「なんだけど?」

「たった今、僅かだけどポルックスからのテレパシーを受け取ったの。」



・・・続く!!
次回、ついに空気化してたポルックス登場ww
誰かベガとベテルのやり取りを恋愛要素と考えた人いる?
いないかw
もしいたとしてもその幻想(?)はぶち壊されますww
何故なら・・・

今日はリンちゃんの色塗りをしてたんだなw
GW(ゲームウィーク)真っ只中だからゲームもしてたけど((

上部に違和感感じた人は何も言わなくていいよ((

リンちゃんの色塗りが思ったよりはやく終わったので「レン君も描こうか」と思い、ペン入れまで済ませました^ ^

初描きです。
レン君の前髪(バナナ?)ムズ過ぎやろww
まぁ何故かバナナを描くのは得意なんですけど(ゑ


ねぇ知ってる?「バナナ」って「甘蕉」って書くんだよぉ。