「無翼の天使」 ♯攻カ守カ・・・

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最初に一つ目が動いた。
パチパチと体中から黒い稲妻を纏い、デネブに向けて突進した。
ゴッ!という鈍い音がなり、辺りに砂埃が舞う。
しかし、デネブには当たらなかった。いや『当てられなかった』。
デネブを中心に凄まじい風が吹いていて、一つ目は近づくことすら出来なかったからだ。
「・・・君たちの名前は知ってるよ、『ダークマター族』って言うんだろ?」
確か、ダークマター族は数年前に自身の住んでいた惑星を滅ぼされたんだっけ?
そんなことを心の中で呟きながらデネブはダークマター達の動きを観察する。
デネブから吹いている風は特殊な風というわけではない。『デネブから吹いているただの風』なのだ。つまり
「雷とか"特殊な技"には弱いんだよね、この風・・・」
バチッ!と雷鳴が響く。デネブはとっさにその場から離れる。デネブがいた場所は一瞬で焦げた。雷の速さを生き物が捉えることはできない。すべて勘で動くしかない。
だが・・・
「っ!?」
デネブを十体のダークマターが囲んだ。雷は距離によるが一瞬で目標をおよそ一万〜二万℃という高温度で黒焦げにする。当たって無事でいられる可能性はゼロに近い。
「(十方向からの電撃・・・上下左右縦横斜め前後の方向から来るとなると・・・)」
デネブは周囲を見渡し、行動に出る。バッ!!とデネブの背中にあるすべての翼が開いた。
「(空・・・!!)」
例え上に電撃がきても上空なら届くことはあまりない。なるべくはやく上空へ飛ぶ為翼を大きく羽ばたかせる。デネブから吹いている風の助けもあってか思ったより上空に飛べた。直後・・・

ダークマターが一瞬でデネブに追いついた。

「なっ!?」
とっさにデネブは剣と回った。

何回かダークマターに掠った気がするがそんなものがダメージになるとは思えない。
ピッシャァァァンッ!!と雷が轟き、デネブは地に落ちた。
「(・・・何か、何かがおかしい・・・!?)」
普通ならば見えていた。ダークマターの動きを捉えることができたはずなのだ。だが、捉えるどころか目に映りもしなかった。
「誰かが制限しているとしか思えない・・・」
自分の身体能力を、体全体の機能を。


                       行間
「あん、デネブがいねぇじゃねぇか?」
アルタイルは辺りを見渡し、我等の団長がいないことを知る。
頭に宝石の付いたアクセサリーがついていて、そのアクセサリーから白い布の生地が出ている。その布を頭に巻いているのがアルタイルというプレアデス星団の副団長だ。
「団長なら噴水広場の方に行ったぞ。」
蠍のような尻尾を生やした星の戦士シャウラにアルタイルは説明された。どうやら「まだ助かっていない人がいるかもしれないから見てくる」と言われたらしい。
「団員に何も言わずにどっか行くってどういう神経してんだよ、辺りにゃダークマターどもがうようよしてるってのに・・・」
アルタイルは不満をねちねちと言う。その時・・・
「おぉぉぉぉぉい・・・!!」
フォーとべテルがこっちに走ってきた。どうやら無事なようだ。だが、顔は明るくなかった。
「どうした!?」
アルタイルが二人に問う。方向からして噴水広場から来たのだろうか?
「噴水広場で団長が十体の一つ目たちと戦ってるんだ!!」
フォーは今の状況をアルタイルとシャウラに説明した。よほど慌ててるのか言っていることはめちゃくちゃだったが大体の事情は理解できた。
「よし、加勢しに行くか・・・!」
アルタイルは手と手をパンと合わせた。しかし、辺りをキョロキョロ見ているべテルがこんなことを言う。
「ねぇ、カストルポルックスとアークは?」
その直後、辺りは静まり返った。そういえば見ていない。
「・・・誰か知ってる奴いるか?」
アルタイルはプレアデス星団員に問いかけた。
沈黙・・・誰一人として手を挙げる者はいなかった。
「おいおい、まさか行方不明か!?」
シャウラが困った顔をして言った。別にヒヤデス星団員じゃないので気にすることでもないのだが、同じ星の戦士としては聞き捨てならない。
「しょうがない奴らだ・・・俺は三人を捜しに行く!他の星団員は作業を続けててくれ。」
「俺も行くぜ、他の星団員のことはあまり知らないが、まだ子供なんだろ?」
アルタイルとシャウラは空へ飛んだ。



・・・続く!!
短っ!?・・・というのも時間があまり無かったもので(黙
本日は父が旅行、母は帰りが遅く、長男はバイトでいなかったので残った俺はカレーを作りましたw
案外上出来でしたわ、玉ねぎがちょっと焦げたけどw
二男は「相棒」を見てましたww
俺も合間合間見てたけどw
また明日ァァァ!!