「無翼の天使」 ♯時間ノ違イ

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「・・・そうか、すまんな、お前たちにすべて任せてしまって・・・」
高さ20m弱の扉の奥からソルの申し訳なさそうな声が聞こえてきた。
「め、滅相もないです・・・!僕たちは自分の意思で戦ったんですから・・・!!」
ベテル・ギウスはソルの驚きの言葉に困惑した。扉の奥でソルが頭を下げている状況が頭に浮かんできてしまう。とても恐れ多い。
「・・・ところで、やはりベガ達のことが気になるのですが」
アーク・トゥルスが話を変えた。いつまでも帰ってこない仲間のことが心配なようだ。しかし、床に寝ているベテルが冷静に言う。
「・・・僕がベガと離れたのは6時20分頃で、ポルックスに会って事情の説明を終えたのが6時半頃・・・ダークマターとの戦いを10分間で終わらせたし、僕とベガがプレアデス星団のみんなのところからここまで来るのに20分くらいかかったよ。つまり、ベガは6時40分くらいにみんなのところに着いたんじゃない?今は約6時50分・・・少なくとも、ベガが来るまであと10分くらいはかかると思うよ?市民を連れていることだし、もっと時間がかかるかも・・・?」
ベテルの突然の快活な説明に一同は情報処理のため少しの間黙った。やがて、アークが口を開いた。
「・・・ん?ちょっと待て、俺は神殿の外で6時15分から20分待ったぞ?お前が6時20分位にベガと別れたとしても、俺は既にそこにいたはずだし、俺がそこから20分間待ったら6時40分・・・おかしいぞ?」
時間の計算がややこしくなっている。というかかなりおかしくなっている。
整理すると、
アークは6時15分から20分待ち、6時35分にベテルの存在に気づいた。
ベテルは6時20分にベガと別れ、6時半にポルックスへの説明を終えた。
ここでおかしい点がある。6時20分、アークとベテルは接触しているはずなのだ。それなのにその時、アークはベガを待っていて、ベテルはベガと別れた。状況がかなり矛盾している。
「・・・時間がずれている?」
ポルックスが結論を言う。『時差』・・・というものは天界にもあるが、こんな近距離で時差が発生するはずがない。たったの400m差・・・絶対にありえない。そもそも、これを『時差』と認識するのは難しい。
「こんな近距離で5分ほどの時差が発生している・・・?何故だ、どうしたらこうなる?」
ソルが低い声で分析する。ダークマター族が突然現れたのも、どうやって天界まで来たのかも、目的が何なのかも、そしてこの謎の時差も、すべてが理解不能で謎だ・・・


『パズルのピース一つ一つがパズルになっていて、それを完成させないと一つのピースにならない』


・・・そのパズルを完成させるのは絶望的。時間をかけて一つのピースを完成させても、残りの何百枚というピースのパズルを完成させないといけない。全部のピースが完成しても、そのピースを使ったパズルを解かなければならない・・・。
謎と問題が多すぎて、何から解決させていけばいいのかわからない。
「・・・俺、ベガのところに行ってくる。確認したいことがある・・・」
アークが決断した。もし、本当に時間がずれているなら、今ベガのところに行ったとき、時間がずれているはずだ。まだ実感がわかないから、確認しなきゃ気が治まらないらしい。
「だったら僕も行くよ・・・っ痛ってぇ!!」
ベテルが包帯だらけの体を無理矢理起こし、アークについて行こうとした。が、ポルックスにあっさり止められた。
「ベテル、今は自分の体を大事にしてなよ。ていうかその体で行けるわけないし・・・」
「立つことならできるよ!骨折とかじゃないただの傷だし・・・」
ベテルが言い訳しようとすると、バッチィィィン!と豪快かつ痛々しい音が大広間に響き渡った。
「痛ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
ベテルが涙を浮かべて絶叫した。背中をポルックスに思い切り叩かれたのだ。
「血液が不足してるから皮膚の痛覚が敏感になってるな、寝とけ」
アークに止めを刺され、ベテルは怒りと不満を覚えながらも諦めた。



アークが神殿を後にし、ベテルとポルックスが残った。当然、会議室に閉じ込められている『星の勇者十二隊』もだ。
「・・・大丈夫かな?アークも一応傷持ちだし・・・」
ベテルが廊下の方を向いて呟いた。アークの傷は擦り傷程度なのだが・・・
「・・・さて、そろそろ今後について説明しておくか・・・」
扉の奥にいるソルが切り出した。
「今後・・・というと、この戦いが終わった後のことですか?」
ポルックスが質問する。
「・・・そうだ。今説明しておかなければ次がいつになるかわからないからな」
次がいつになるかわからない・・・つまり、これからベテルとポルックスは離れ離れになる可能性がある。ということを暗示している。
「・・・お願いします。」
ポルックスが少し苦い顔をしてソルに説明をお願いした。

すると、「ああ」とソルは短く返事をしてこう言いだした。



「お前ら、しばらく下界に行っといてくれ」





・・・続く!!
時間がアッーーーーーーーーー!!
って感じです(え


あぁ、この三日間疲れたぜぇ・・・
またまたある漫画にドハマり、
その名も「めだかボックス」!!
これはもう皆知ってるな、なんせジャンプだしw
線がきれいなので個人的に絵柄が好きだな。
キャラ的に好きなのはやはり「球磨川禊」。
なんせ主人公じゃないのに人気投票で主人公の「黒神めだか」に圧倒的票差をつけて第一位に君臨したからねw
彼の名言(?)
『え———モブキャラのみなさんこんにちは。』
彼はこの一言でおよそ600人の心をへし折りましたww