「無翼の天使」 ♯武器ノ雨

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とにかく突破口を見つけなければ・・・ベテルは相手にダメージを与える方法を考える。
「(剣技では間違いなくあいつが上、たとえ触れたとしても電撃がくる・・・避雷針はもう使えない・・・くっ)」
傷も小さくはない・・・出血も多い、ベテルが倒れるのも時間の問題だ。
「(背後から攻撃・・・駄目だ見極められる。・・・クソ、考えろ、考えるんだ僕・・・!!)」
傷と疲れでベテルの思考はバラバラだった。でも、絶対に倒さなければならない・・・何としても、だ。
少し考えた後、ベテルは伏せていた顔を上げる。
「・・・・・・もう、これしかない!!」
「・・・考え事は終わったか?」
「・・・まぁね、」
親切なことに、剣士は待っていてくれた、まるでRPGのボスのように。
ベテルは剣を片手で構え、少し後退する。
すぐ足に力を込め、ベテルは地面を蹴った。ドッと地面はえぐられ、ベテルは剣士との距離を一気に詰める。
「ハァァァァァァッ!!」
剣士は剣を構える。ベテルの剣をガードするためだ。
キィィィィィィンッ!という金属音が辺りに鳴り響いた。剣同士がぶつかった反動でベテルは後ろにバランスを崩した。だが、ベテルは右足で地面を力いっぱい踏み、後方宙返りをする。すべてがスローに感じた。ベテルは着地すると、『無敵(アパラージタ)』を剣士に"投げた"。
「!!」
咄嗟の出来事に剣士はギリギリで投げられた剣をはじく。ベテルはそれを狙っていた。



ベテルの両手に二つの剣が現れた。



ベテルはそれを一本ずつ思い切り投げる。手から剣が離れると、空いた手には一本の斧が現れた。左右交互に武器を投げ続ける。
武器を想造し、召喚し、それを投げる。はじかれた武器は異世界へ帰り、ベテルの空いた手には新しい武器が持たされる。忍者がクナイを大量に投げるように、ベテルは大量の武器を投げまくった。太刀、大剣、斧、刀、ランス、スピア・・・さまざまな種類の武器がベテルの手に次々と召喚され、投げられる。
これほど一瞬の狂いもなく、正確に、連続で想造と召喚を繰り返すには、『想像力』、『創造力』、『集中力』がかなり必要とされる。
ベテルは他のことなど考えていない、考えている暇が無いのだ。
カカカカカカカカッ、と剣士が投げられた武器をはじく音が聞こえる。
「くっ!?バカな!?」
皆さんは一瞬で、ある形、ある装飾の何かを想像することができるだろうか?おそらく不可能だろう。ベテルの投げた武器は形、装飾、強度は本物で、一切の手抜きや欠陥は無かった。すべて本物・・・
剣士が武器をはじく音も次第に遅くなり、
「ハァ・・・ハァ・・・くそっ!!」
剣士が息切れを始める。武器が無数に投げられるのだ、電撃ではじいたとしても、次の武器が飛んでくる。まさに"武器の雨"だった。
だが、ベテルも疲れてきたのか武器を投げるスピードが弱まってきた。この勝負、先に手を止めたほうの負けだ。
「・・・・・・!!」
ベテルは言葉を発するエネルギーさえ武器を投げるためのエネルギーへまわしていた。
そして、


耐えきれなくなったダークマターの剣がバラバラに割れた。



「・・・!!」
ベテルは数瞬遅れてそれに気づき、すぐに武器を投げるのをやめてふらふらとダークマターに突っ込んでいく。
「・・・ぁぁぁあああああああああああああ!!!!」
ベテルは最後の力を振り絞り、走りながら手に槍を召喚した。その槍の名は・・・
「『雷ノ投擲(ゲイ・ボルグ)』ッ!!!」
黒い剣士に向かって全力で、手が千切れそうになるほどその槍を投げた。
ズッシャァァァァァッ、と凄まじい轟音が鳴り響いた。『雷ノ投擲(ゲイ・ボルグ)』は逸れることなく剣士の中心を貫いた。
「グ・・・オォォォォォッ!!?」
剣士のその体形は崩れ、黒い雲になり、その雲も槍の勢いで吹き飛ばされた。
投げられ、その勢いを止められないまま宙を飛んでいる『雷ノ投擲(ゲイ・ボルグ)』は異世界へと帰っていった。



たった一人で全力の剣士に勝ったベテルはドサッと地面に倒れた。
「ハァ・・・ハハ、やったぞ・・・ハァ・・・ハァ・・・」
だが、まだ終わっていない。まだ11体、ダークマターが残っている。
「・・・まさか、一体倒した程度で油断してはいるまいな?」
「ハァ・・・と、当然でしょ・・・ハァ・・・」
よっこいせ、とベテルはふらふらと立ち上がり、右手に剣を持った。
「無茶だよ、もう逃げようベテル!」
今の戦いを見ていたポルックスはベテルがどれだけ疲れているかを知っている。今状態で戦うのは自殺行為だ。
「この体で、逃げても・・・どうせ追いつかれる・・・ならさ、最後まで戦ってやるだけだ・・・!!」
と、言った直後、ベテルの顔色が悪くなり、体が前に倒れる。
「ベテルッ!?」
ドッ、と音はしたが、ベテルは地面に倒れなかった。
誰かがベテルの体を支えたのだ。


「遅いと思ったら、こんなところで油売ってやがったのか・・・?」


その人物、二人が見覚えのある特徴的な目をしていた。
「アー・・・ク・・・?」



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「ったく、一人で無茶すんじゃねぇよ。ボロボロじゃねぇか・・・」
アークはベテルを地面に下ろし、『光線爪(ネイルガン)』から赤い光の玉を出した。そしてそれをコツンとベテルに当てた。するとベテルの息切れが止まった。
「"体力球(スタミナボール)"だ、俺の体力を分けてやる。」
「・・・ありがとう」
アークはベテルの顔色が元に戻っていくのを見届けると、ポルックスの方を向いた。
「ポル、お前は神殿で待っててくれ。ここは俺たちが止めとく。」
「えっでも」
「お前、実戦部隊志願じゃないんだろ?戦いは俺たち実戦部隊志願者に任せろよ。」
「・・・・・・」
ポルックスは実は戦いが苦手で、どっちかっていうとインテリだった。プレアデス星団には『実戦部隊』、『情報処理』の二つに分かれていて、どちらかを決めることができる。『情報処理』は大した試験はしないのだが、試験と試験の間がかなり空いているため、ポルックスは未だに情報処理試験を受けていなかった。
「ごめんポルックス・・・でも、絶対に帰るから・・・!!」
ベテルはニコッと笑った。
「・・・うん、絶対、だぞ・・・!?」
ポルックスは微笑み返し、ダッシュで神殿に向かっていった。
「・・・さて、と」
アークは11体のダークマターの方を向く。ベテルも立ち上がり、アークに倣った。
プレアデス星団のチームワーク、見せてやるぜ・・・!!」
アークが言い、ベテルと背中を合わせた。
「くくく、たった二人で我らに勝てるとでも?」
ダークマターの問いに、ベテルは笑顔で答えた。




「そう思わなきゃ、ここにいないよ!!」



・・・続く!!
ベテルのチート技発動ww
てかベテルのコレ『王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)』じゃね?ww
剣士マターも可哀想に^ ^;
アーク参上!ベテルとの共闘をやってみたかっただけww



なんと、21日に起こる金環日食のおかげで21日の始業時間を一時間遅らせてくれるらしい!!
理由は『交通の混雑が予想されるため』
スクールバスも渋滞に巻き込まれたら遅れちゃうからねw


今日の衝撃
俺はキャラの名前を星の名前から取っているんですが・・・何かオリオンが気になってしまったので学校の帰り、携帯でググる
『オリオン座、トレミーの48星座の〜』

んっ?48星座!?おひつじ座とか、白鳥座とか、星が形作っている星座が48個も!?
と思い、急いで『トレミーの48星座』と検索・・・
すると、トレミーの48星座の星座が全部出てくるわけですよ。
そして当然その星座を形作っている星の名前も出るわけですよ。
紙にメモし、数を数えたらなんと!!
星の名前が183個もでてきました!!(゚Д゚)

この出来事のおかげで俺の作る星の戦士の数は文字通り『星の数ほど』になりそうです(^_^;)