「無翼の天使」 ♯影忍ブ

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・・・星ノ・・・戦士・・・・・・星ノ戦士・・・倒サネバナラナイ・・・・・・憎イ・・・恨メシイ・・・ダガ、『主』ハ捕ラエロト言ッタ・・・捕ラエル・・・・・・捕ラエル・・・・・・奴ラヲ捕ラエタラ『主』ハドウスル?
アア、ソウダ・・・

『消ス』ト言ッテイタナ・・・

ダークマターはただ『主』の言うことを忠実に守っていた。この天界の襲撃も『主』が命じたことだが、ダークマターはそれ以外の理由で星の戦士と戦っていた。自分たちを『救ってくれなかった』星の戦士に対する恨みや憎しみ、それらも彼らが戦う理由だ。もともと彼らに力は無かった。だが、『主』が力をくれた。自分たちが今やるべきことはただ一つ、

救うべき生き物を無視し、のんきに笑っている"奴ら"の幸せを、笑顔を、力を、すべてを奪うこと・・・

目の前にいる、『プレアデス星団』をはじめとする星の戦士たちに、三十ほどの黒い雲たちは近づいていた・・・


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ベガはべテルと共に『神殿』が建っている浮島へ向かっていた。市民のパニックを止めた彼女らは市民の安全を確保すべく、『神殿』を一時的な避難所にしよう、と提案された。『星の勇者十二隊』に許可を得るためベガとベテルは神殿に向かっていた。
「今は会議中なんじゃない?」
べテルがベガに尋ねる。
「こんな事態が起きてるのに会議なんて続けてるわけないじゃない。」
「・・・じゃあ、なんでソル様たちは助けに来てくれないんだろ?」
「え・・・?」
そういえば・・・こんな大変な事態が起きてるにも関わらず星の勇者十二隊の誰一人として助けに来てくれていない。普通ならば会議を中断してでも助けに来るはずだ。それなのに・・・
「もしかたら、何か"助けに来れない事態に陥ってる"のかも・・・?」
べテルが結論を言う。この子、なかなか鋭いこと言うわね・・・ベガは感心しながらも勇者たちを心配する。
「もしそうなら、助けに行かなきゃ・・・!!」
あの十二人が何もできなくなってるなんて、一体どうしてしまったんだろう?
2人は飛行スピードを上げた。

神殿に着くと、人気が無いことに気が付いた。いつもは兵士や戦士たちで賑わっているのに・・・
「(やはり何かがあったんだ・・・)」
ベガは異常を確信した。辺りは静寂に包まれていた。寒気も感じ、べテルは少し怖くなった。
ベガ達は神殿の中に入る。どうやら一つ目たちはいないようだ。神殿の大広間に出た。天井には『星の勇者十二隊』をイメージしたシャンデリアがぶら下がっていた。正面には高さおよそ20mの扉があり、その両脇には二階の寮棟に上がるための階段が伸びている。高さおよそ20mの扉の奥の向こうに会議室があり、そこで星の勇者十二隊が会議をしているはずだ。ベガは扉に手を掛けたところであることに気づき、手を離した。
「これは・・・結界!?しかもかなり構築が難しくて外の音、におい、振動をすべて遮断しているわ!!」
結界などの魔法についてベガはかなり詳しいほうなのだが、ベガでさえその正体を割ることができない。
『結界』というのは主に敵の侵入を防いだり、閉じ込めたりする使い方が一般的で、構築が難しいほど解くのは難しい。
しかしこの結界の構築の難しさは計り知れなかった。
「これほどの結界を構築すると、普通の人なら脳に障害が残るわ。でも、この結界の完璧さを見るところ、この結界を作った人は今も平気でそこら辺を歩いてる。こんな結界は初めて見るわ・・・」
「えっと・・・」
ベガの難しい結界講座の内容を理解できないベテルだった。だが、なんとなくは理解したつもりなので質問してみる。
「つまり、ベガでもこの結界を解くことはできないってこと?」
「・・・そうね、ある程度なら結界を解くことができるけど、これを完全に解くことはできない。」
「じゃあ、どうやって助けるのさ?」
「・・・せめて、状況だけでも伝えなきゃね。」
ベガは静かに扉に手を掛けた。


・・・続く!!
バトル?後回しじゃないよ、ここ結構重要なんだよ!


皆さんに素朴な質問をしてみます。
これは数学の先生が言っていたことです。

(−1)×(−8)=8
ですよね?
では何故マイナス同士をかける(割る)とプラスになるのでしょうか?
理屈ではわかってるはずなのに「文で説明しろ」と言わると何とも言えないですよね?
皆さんも考えてみましょう。
あ、議論はしないでね♪