「無翼の天使」 ♯手段ハ封ジラレ

                       行間
体中に布のようなものを巻いてる人物は手下たちに命令を下した後、組織の幹部の一人『ダークゼロ』と会話をしていた。
「何故星の戦士全員ではなく『プレアデス星団』のみに狙いを定めたのですか、『預言者様』?」
よく見る星のマークを真っ黒に塗りつぶし、真ん中に赤い一つ目のあるダークゼロは『預言者様』に目的の意味を問うた。
今回の目的はあくまで『プレアデス星団員の捕獲』。他の戦士は捕らえなくていいのだろうか?
「さっきも言ったはずだぞダークゼロ。奴らは将来、われらの計画に支障をきたす存在となるからだ。」
「確証はおありで・・・?」
預言者様』は「支障をきたす存在になる」と言い切った。まるで未来の出来事を予言しているかのような口ぶりだ。
「私をナメてくれるな。私の名前を何だと思っている?」
「・・・『フェイト・プロフェット』様です。」
『フェイト』は『運命』という意味で、『プロフェット』は『預言者』という意味だ。
つまり彼は『運命の預言者』なのだ。
「そういうことだ。奴らは我等にとって邪魔な存在としかならない。特に団長の『デネブ』はな・・・」
デネブはプレアデス星団の団長、もちろん星団の中では最も強い存在だ。
「しかし、『星の勇者十二隊』が邪魔をしてくるのでは・・・?」
『星の勇者十二隊』とはソルを中心とする十二人の『星の勇者』の集団のことで、すべての星の戦士の頂点に立つ存在だ。
『星の勇者』というのは星の戦士がある一定の地位までいくともらえる称号のようなものである。
「既に手は打ってあるさ・・・フフ」
フェイト・プロフェットは不敵に笑っていた。


                       1
星の勇者十二隊は謎の人物が出て行ったあと、会議を再開していた。
「・・・では、続いて次回の全星団一斉実戦部隊昇格試験についてだが・・・」
ソルは手元の資料を読みながら司会を進行していた。
月に一回行われるこの会議は、星の戦士についての内容がほとんどで、政治などはほかの組織が担当している。
堅苦しくて面倒くさい内容はほとんどない。
ソルは手元の資料をダルそうにめくろうとした。
直後、
ドッゴォォォォォンッ!!!
という音が聞こえ、建物が揺れた。
「っ!?なんだ、何が起きた!?」
ソルは突然の爆発音に会議を中断した。
「・・・どうやら、何者かが襲撃してきたみたいだね。ゴホ・・・」
星の勇者十二隊の一人『アース』は状況を冷静に分析した。
アースは病弱で、常に『ムーン』という側近がついている。ちなみにムーンも星の勇者十二隊の一人である。
「このタイミング、おそらく首謀者はさっきの奴かな・・・ゴホ」
「何もたもたしてんだ、行くぞ!」
体中が炎で出来ている『マーズ』は真っ先に扉へ走って行き、扉を開けようとした。
・・・が、
「・・・なっ!?」
扉は固く閉ざされていてびくともしない。押しても引いても開く気配はない。
「・・・どけ、燃やし尽くす。」
幸いにも扉は木製だ。ソルは手先に意識を集中させ、扉に狙いを定める。
「・・・"渦巻ク焔(プロミネンス)"!!」
ゴォォォォウウゥッ!!
とソルの手先からジェット並の炎が噴き出た。扉の辺りは火の粉と煙に包まれた。
しばらくし、煙が引く。
しかし、
扉は燃えるどころか焦げ跡すらついていなかった。
「っ!?バカな!?」
一同はどよめいた。だが、一番動揺したのはソルだ。
"渦巻ク焔"は湖の水を一瞬で全て蒸発させるほどの火力を持っている。
その"渦巻ク焔"が一切効かないのだ。
「・・・これは、結界!?」
エルミスは扉を見ながらそう言った。
そういえば騒ぎがあったにも関わらず誰も会議室に入ってきていない。

閉じ込められた・・・

ここにいる全員がそれを認識した。
目の前にいるのに市民を助けるどころか何もすることができない。星の戦士としてこれほど悔しいことはないだろう。
星の勇者十二隊は、フェイト・プロフェットが張った結界によりまったく行動することができなくなった。


                       2
数はおよそ十体。敵全体の約一割がこちらに来た、ということか。
デネブは特に構えることもせず、フォーとべテルに静かに言う。
「君たちはひとまずここから離れて、市民の救助に向かってほしい。神殿の方にみんないる。僕が奴らを引き付けるから。」
あまりしたくない命令をする。だが、そうでもしないとこの二人は絶対にここに残ろうとする。
「わかった。」
フォーは即答した。だが、べテルは・・・
「嫌だよ、残る。」
こっちも即答した。
やれやれ、絶対言うと思ったよ・・・。とデネブは呆れる。
「僕だって多少は助けが欲しいよ。でもべテル、君はまだ実戦部隊じゃないだろう?そんな団員を残させるわけにはいかないんだ。」
子供の未来をこんなところで失わせるわけにはいかない。デネブは心の中で付け足した。
「・・・でも」
「べテル、俺だって残りたいさ。けど今は団長に任せよう。」
噴水広場を、天界をめちゃくちゃにした奴は許せない。今はそんな思いしかフォーの心の中にはない。
だが、そんな思いだけで戦ったら、すぐに隙をつかれてやられてしまう。
そうなって足手まといになるくらいなら、ここから離れて市民を助けたほうが天界のためになるだろう。
「今は、耐えるんだ・・・」
フォーは自分にも言い聞かせるようにべテルに言った。
「・・・うん、わかった。」
べテルは戸惑いながらも頷いた。
フォーの言葉で少しは決心できたようだ。
「よし、それじゃあフォー、君の『能力』を使うんだ。」
「了解!」
すると、フォーとべテルは一瞬でいなくなった。いや、いなくなったんじゃなく認識できなくなったと言ったほうがいいだろう。
フォーとべテルはまだデネブの目の前にいる。だが姿は視えない、音も聞こえない、においもしない。そもそも気配がしない。
これがフォー・マルハウトの『能力』だ。
"すべての気配を自由に消せる"という能力だ。
これにより『フォー自身とべテルの気配を完全に消した』のだ。
二、三分した後、
「行ったようだね・・・さて」
デネブは辺りを見渡す。
デネブはプレアデス星団に代々受け継がれてきた秘法『銀河物質(ギャラクシー)』を手に持つ。
そのひし形のクリスタルはみるみる姿形を変えていき、やがて剣となった。
ゴワァァァッ!!
とデネブを中心に風圧が巻き起こる。
「君たちにこんな命令を下したのはどこの誰だい・・・!?」



・・・続く!!
なかなか戦いが始まらないねorz
でも次回こそは絶対にバトルスタートしますw


明後日から学校で研修なんだな・・・
全然楽しめそうもないorz
だけど、ニコニコ超会議wktkwktk


はい、久しぶり(?)にリンちゃん描きましたお☆(キモ

リンちゃんを描くのに慣れてきたということで服のアレンジに挑戦!!
ごめんよリンちゃん、ダサい服着せちゃってm(--;)m