「無翼の天使」 ♯我慢

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目的地に近づいていくいつれて、爆発音や雷鳴が聞こえ始めた。ベガ曰く、第6島でプレアデス星団ダークマター族と戦っているらしい。アークの顔は曇っていく。仲間が戦っているところの近くを通るのだ、気にせずにはいられない。
「・・・・・・今は、我慢だ」
『北斗七星』が下界に逃げたことを知った当時のアークなら、迷わず戦場に向かっていただろう。
だが、アークは知った。弱い存在は誰かが守ってあげなければならないのだと、自分の目的しか見えていない者は、誰も守ることができないと・・・。
「(市民は弱い存在・・・・・・俺が・・・俺たちが守っていかないとダメなんだ・・・・・・!)」
市民は今孤立している。頼れるものが無く、恐怖に怯えているかもしれない。更に暗くなってくるし、寒くなってくる。アークはまっすぐ、第8島に向かっていく・・・・・・。



第8島に着くと、市民の団体が集まってお互いの体温を共有していた。アークも飛んでいる途中に感じた風の冷たさはよく知っている。暖房も無い屋外では、これが一番良い方法なのだろう。だが、今は一刻も早く神殿に避難してもらわねばならない。
「皆さん、プレアデス星団員のアーク・トゥルスだ。ベガとアンタレスに代わって、あんたたちを神殿まで誘導する。ついてきてくれ」
アークが市民に呼びかける。
「・・・・・・あんたがプレアデス星団員って証拠はあるのか?」
市民の一人がアークを疑っていた。ベガやフォーなど、実績のある団員は市民間でも有名なのだが、アークは名を上げるどころかまだ訓練生だ。当然、アークの名を知る者は市民の中にはいない。アークの両親はアークが幼いころに他界している。
「・・・・・・証拠は、無い。だが、あんたたちを守っていく自信はある。もし、あんたたちが一人でも欠ければ俺を裁判にでもかければいい・・・。今は身内を疑っている暇じゃない。」
アークは冷静に答える。アークはベガのように優しく接することが苦手なため、どうしても厳しそうに聞こえてしまう。それに加え、黒い瞳なので、子供には怖がられる。
余談だが、ベガにはその人柄故に熱烈な男性ファンが多い。
「・・・・・・そうだな、どう見たってあんたは星の戦士だ、信じてやろう。」
先程アークを疑っていた市民はアークを信じた。アークはその言葉を聞くと少し頷き、背の翼を羽ばたかせた。
「行こう、ベガ達は今頃神殿に着いているはずだ。」
アークは市民を引き連れ、神殿に向けて出発した。




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「おぉ、おぉ・・・・・・いるいる、プレアデス星団共が・・・!」
フェイト・プロフェットは噴水広場に集められたプレアデス星団員を見渡しながら感心する。
横にいる黒い星ダークゼロが上機嫌になる。
「流石ゼロ様だ、たった一瞬でこれだけの数の星の戦士を倒すなんて・・・!!」
「ゼロ、命を奪ったりはしていないだろうね?」
フェイトは正面の白い球体に確認を取る。ゼロは確証もないまま答えた。
「保証しかねますが・・・・・・力は虫けらを潰さない程度に抑えたつもりなので、問題ないと思います。」
「ははは、君にとっての虫けらとは本当の虫なのかこいつらのような雑魚のことなのかわからないが・・・・・・君一人でこのくらいなら、"残りの二人"はいらないね?」
「いえ、私もスズメの涙ほどしか実力を出していませんし・・・」
ゼロはフェイトの言葉に遠慮する。
「そうかい・・・まぁ今日のところは帰ってゆっくり休むといい」
フェイトはそう言うとゼロの正面の空間に手をかざし、星型の穴を作った。
「そうさせていただきます。私の登場で計画に支障をきたすわけにもいきませんし・・・」
ゼロはそう言って星型の穴に入っていった。フェイトはそれを見届けると星型の穴を閉じた。
「さて、これで全員ってわけじゃないだろう、100体のダークマターの内17体ヤラレチャッタらしいし、こいつらを囮に使えばひょこっと出てくるでしょ」
フェイトは「どっこいしょっ」と瓦礫に腰かけた。そして天を見上げながら呼びかけるようにつぶやいた。
「『ベガ』、『アンタレス』、『ベテル・ギウス』、『ポルックス』、『アーク・トゥルス』・・・早く来ないかなぁ・・・」




・・・続く!!
短い!!
フェイトは残りのプレアデス星団員を言い当ててしまった。さすがは『運命の預言者ww


先日言っていたボカロキャラ集合絵なんですが・・・
さすがに1枚に全員は描き切れないので今回は
初音ミク
はちゅねミク
鏡音リン
鏡音レン
巡音ルカ
たこルカ
トエト
KAITO
MEIKO
咲音メイコ
弱音ハク
亞北ネル


だけにします。重音テトGUMIなどはまたの機会に描かせていただきますm(__)m


シエナ「あれ、あたしはいないの?」
Wander「お前歌わねェし、音痴だろ?」
シエナ「あ、バレた?」
Wander「じ、自覚してやがる・・・!?」