「無翼の天使」 ♯下界ト希望ヘノ道

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ベテル・ギウス、ポルックスの二人は、下界に行くことを決意した。
「・・・それで、どうやって天界に行けばよろしいのですか?」
下界に行くならば下界に行く手段を知らなければならない。普通、『実戦部隊』もしくは『情報処理』に昇格しなければ下界への行き方を教えてもらえない。ベテルとポルックスはまだ訓練生なので教えてもらっていなかった。
「ああ、『噴水広場』、あるだろ?そこにあるメインの噴水に自分の羽根を落とすんだ。羽根は下界に行くための切符のようなもので、落とせば、下界への道が開かれるから、そこに入れば下界に行くことができる。自分が望んだ場所へ自動的に送ってくれるぞ。」
なるほど、と二人は理解した。だが、ソルが説明している途中、ベテルの表情が青ざめた。
「・・・どうした、ベテル?」
ポルックスが心配そうにベテルを見つめた。何か問題でもあるのだろうか?
皆さんは覚えているだろうか?そう・・・



「噴水広場の噴水・・・もう機能してないです・・・」



直後、その場の空気が凍りついた。ポルックスが『ポカーン』という擬音が似合いそうな顔をしている。まったく想像がつかないが、ソルもそんな顔をしているに違いない。扉の奥の奥の方から「なになに、どうしたんですか?」というアースの声がわずかに聞こえてきた。
「ベテル・・・そ、それ、どういうこと・・・?」
ポルックスの震える手がベテルを指した。ポルックスもそれっぽいことを目撃しているが、まさかそれが原因とは思うまい。それは本日の午後二時の出来事・・・
ダークマター族が、噴水広場を襲ったんです。僕は、フォーと一緒に奴らが去った後の噴水広場を見ました・・・。噴水は水を出さなくなっていて、中の水も・・・少なくなっていました。おそらく、もう水は・・・」
ベテルはあの時の気持ちを思い出したのか、涙目になっていく。
「・・・それは困ったな。あの噴水、ただ普通に直したんじゃまったく無能と化す。それに、直すのにも時間がかなりいるからな・・・」
ソルはそう言いながらもあまり気にしていないといった感じだった。過去にも噴水が壊れたことがあったらしい。
「どうすれば・・・?」
ベテルが目の涙を拭き、ソルに残された手を訊く。噴水を利用する以外に方法は無いのだが・・・
「・・・ふむ、可能性が無いわけではないが、確信は無い。」
ソルは何か思いついたようだ。
「なんですか、その方法とは?それでも良いです、是非教えてください!!」
先程まで下界に行くことを否定していたが、今は『行かなければならない』という使命感に燃えているようだ。ベテルは積極的にソルに迫る。その心意気に感心したのか、ソルは迷わず答えた。



「ベテル、今朝お前に渡した"召喚石(サモンストーン)"を使うんだ。」



"召喚石(サモンストーン)"とは、ベテルの星具で、『異世界のものをこちらに召喚する力』を持っている。通常、ベテルの能力である『異世界想造(アナザークリエイト)』と併用することでその真価を発揮する。
ベテルは、ソルの言ったことが今一理解できなかった。「おっ?おぉ・・・」といった感じだ。ソルがお得意の説明を始める。
「"召喚石(サモンストーン)"は『異世界からこちらにものを召喚する』っつう力を持っている。一見ベテルの能力と併用しなければ使えないと思いがちだが、実は違う。『異世界』というのはつまりは『別の世界』のことを示す。そして、『天界』と『下界』は『別の世界』だ。・・・ここまで言えば、もうわかるよな?」
ソルがここまで言うと、ベテルの能力を今一理解していないポルックスはともかく、ベテルは
「あ、ああぁぁぁぁぁっ!!!わ、わかりましたっ!」
と過剰反応した。そう、ソルが何を言いたかったのかというと・・・



「"召喚石(サモンストーン)"で僕とポルックスを下界に召喚するんですね!?」



ベテルがそう言うと、扉の奥でソルが「そういうことだ。」と返事をした。だが、ポルックスは未だに理解しきれていないようだ。
「え・・・っと、待って、つまり・・・・・・どゆこと?」
しかし、そんなポルックスに気づかずにベテルとソルは話を進めていく。
「・・・確かに、僕も『自分を異世界に召喚する』なんてマネ、やったことないので出来るかどうかの確証はありませんね。」
「やっぱりか?俺もお前の能力とか、お前の星具の力とか最近知ったばかりだから、よくわかんねぇんだよ。」
「・・・・・・。」
そんな二人を見てポルックスは理解するのを諦め、ただ二人の話を聞いていた。




・・・続く!!
今回も短いねorz
けどま、許してちょ((殴



またまたオリジナルな物語を考案中w
「Free dom」のような学園日常モノでもなければ、「USDXな物語」のような二次創作でもありません。


大体こんな感じです^ ^;

普通の中学、普通の友達、普通の生活を送っていた普通の双子の兄弟が普通の高校に入学し、恋愛したり、勉強したりの普通の学園生活を送ると思っていたが、
宇宙人やら超能力者やらと遭遇したり、有名な童話の内容が何故か全国共通で変わっていたり・・・
とにかく"学園モノ"と思っていたのに実はかなり異常な"学園モノっぽいSFファンタジーモノ"なのだ!!

「桃太郎」が「桃子」というタイトルに全国共通で変わっていて、内容もかなり変更されている。とか、そんな感じですw
こうすればネタが尽きることが無さそうだしww

だが、「とある魔術の禁書目録」とか「涼宮ハルヒシリーズ」とかとかぶりそうなんだよな(^_^;)