「無翼の天使」 ♯一時ノ帰還

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十分後・・・
アークとベテルはバラッバラのチームワーク(?)で残りのダークマター七体を撃破した。十分で倒したとはいえ、ダークマター達は強かった。アークとベテルは傷だらけのボロボロになっている。
「・・・そろそろ戻る?」
掠れた声でベテルがアークに訊いた。神殿ではポルックスが待っている筈だ。早めに戻らないとポルックスがわざわざこっちに来てボロクソに色々言われそうな気がする。まぁ戻っても結局言われるだろうが・・・
「やべぇ、立てねぇ・・・足が・・・」
アークが自分の足を押さえている。ベテルはアークの足を診た。
「大丈夫?痛い?」
「・・・・・・足攣った・・・」
直後、ゴチッ、と鈍い音が鳴った。
「足攣っただけでそんな大げさにしないでよ!!」
「いや・・・お前が早とちりしただけじゃ・・・」
「・・・う、うるさい!」
アークの言ったことが図星だったのか、ベテルの顔は林檎のように赤くなった。
ベテルはアークの足をマッサージすると、アークの足の攣りはどうやら治ったようだ。アークは立ち上がった。
「よし、戻るか!」



神殿に着くまで五分ほどかかった。400mという本当に短い距離だったのだがベテルがアークの肩を担いで行ったため、それほどの時間がかかってしまったのだ。
会議室の扉の前まで来るとポルックスが待っていた。
「・・・ようやく帰ってきたね・・・おかえり・・・」
ポルックスの顔は怒っているようにも、泣いているようにも見えた。どっちにしろ、悪いことしたな・・・とベテルとアークは心の中で反省する。
「・・・つ、疲れた・・・っ痛ててて」
ベテルはアークを降ろし、床に座り込んだ。今になって体中の傷が痛みだしたようだ。ポルックスは慌てて二階に上がっていく。どうやら応急処置用の道具を持ってくるようだ。ベテルはよろよろとそばの窓に掛けてあったカーテンらしきものに手を伸ばし、それを無理矢理引きちぎり、何回か折りたたんで自分の下に敷いた。
「・・・自室に戻ったらどうだ?」
アークがベテルにアドバイスするように言う。ベテルの部屋はここの階段を上った寮棟にある。部屋に行けばフカフカのベッドがあるはずだ。そこで休めば疲れは取れるはずだし、少しは楽になれるはずだ。
「それが、できてればそう・・・してるよ・・・そこの・・・階段を・・・上っていく・・・体力が無いんだよ・・・」
俺ってそんなに重かったか・・・?アークは心の中でしばし落ち込んだ。


数分後・・・


ベテルの応急処置も終わり、三人は会議室の扉の前に並んだ。
しばらく時間をおき、ドンドンと扉を叩き、三人ともゴクリと息を飲む。そして、
プレアデス星団一般団員訓練生『戦士(ウォリアー)』のベテル・ギウスです!!」
プレアデス星団一般団員訓練生『戦士(ウォリアー)』のアーク・トゥルスです。」
プレアデス星団一般団員訓練生『後方支援者(バックアッパー)』のポルックスです。」
自己紹介をした。すると、扉の奥から
「・・・訓練生ばっかだな。アーク、市民は来たのか?」
声の主は『ソル』といい、『星の勇者十二隊』のリーダー的存在だ。この『星の勇者十二隊』は結界によってこの会議室に閉じ込められている。
「いえ、あれから二十分ほど待ちましたが一向にくる気配はありませんでした。」
「・・・何?」
「えっ、そうなの!?」
ソルと一緒に隣にいたベテルも驚いていた。アークは少し気になったがそのまま続けた。
「一応現状報告します。先程、神殿より北北東に400mのところで、ベテルとポルックスダークマター族に襲われました。」
「・・・そんな近くでか!?」
「はい、俺も最初は気づきませんでしたが、ベテルの能力のおかげで気づくことができ、加勢することができました。結果、何とか十二体のダークマター達を殲滅することができました。」
アークは事実をそのままソルに伝えていく、嘘や隠し事は一切入れずに、ただありのままを伝えていく・・・



現在時刻は午後六時五十分、ベガとアンタレスが市民を連れて出発した時刻だ。




・・・続く!!
明後日『チューカーンコーサー』が襲ってくるので勉強の為短めにしましたm(__)m
今回は地味な回でしたねww
特に変化も起こらず異変も起こらず・・・物語の大した進展も起こらず・・・まぁ一話一話大切なんで、ご了承くださいm(__)m



何となく描いてみたもの

こうして見ると・・・ベテルは特徴が無いなぁww




金環日食・・・明日の天気は微妙らしいですねorz
日本ってこういう時の運無いよなァ・・・orz