『モモ』其の壱拾玖 「犬井、決意する」

「節分・・・・・・」
「あぁ、そういえば今日2月3日だっけ?」
確か其の壱で・・・というメタ発言は止しておこう。朝、起きたときに日時を確認したらそうだった・・・今日は2月の3日、節分である。
「節分といえば・・・」
本来"節分"というものは季節の分かれ目のことで、元々"立春"、"立夏"、"立秋"、"立冬"の前日を示していた。しかし節分=春という認識になったのは昔、冬から春になる時期を年の境目とし、今で言う"大晦日"と同じように考えられていたからだ。
そしてこの立春の節分の要である"豆まき"・・・これは"追儺(ついな)"と呼ばれる中華人民共和国の厄払いの風習が伝わってきたものだ。
「豆でも買っていこうかな・・・」
モモは豆を見ながら悩み始めた。実はそんなにお金を持ってきていない、豆を買うとなるとどれか一つ商品を諦めなければならないのだ。しかし先程の『節分フェア』・・・隼が詳細を見てきた。
「・・・何か的当てして当たったら豆を一袋くれるんだと、やるには1000円分以上買わなきゃならんらしいが・・・」
見るとレジの奥に鬼に的の絵が描かれたパネルがあり、子供が安物のボールを投げている。
「隼、1000円分は買ってあると思うからやってきてよ」
「あの子供たちに紛れてやって来いと・・・?ふざけろ」
隼はあまり乗り気ではないようだ、しかしタダで豆が貰えるのなら欲しいところ・・・・・・モモはまたも悩み始めた。
「川本さん、どうしましたの?」
見ると後ろには五月とタカがいた。五月が持っている籠には1000円分くらい商品が入っている。
「さっちゃん、『節分フェア』やる?」
「あぁ、僕がやるよ」
五月の分はタカがやるようだ。五月によればタカが積極的に「やる」といったそうな・・・・・・それにくらべてこっちの犬っころは・・・・・・!
「ねぇ隼」
「やらねぇよ」
即答かい・・・・・・モモの笑顔に少し血管が浮かび上がる。
「いいのかなぁ犬井君・・・?」
タカが不気味な笑顔を隼に向けた。当然悟られないように女子には見えない方向で・・・・・・何を隠そうタカは知っていた。隼が部活に来ない理由を・・・その情報を聞いたら五月がどう反応するか・・・タカにさえ想像できない。
「・・・・・・」
隼の顔が蒼白する。タカに弱みを握られ、隼は究極の選択(というほどでもない)を迫られていた・・・無邪気な子供に紛れて恥を掻くか、タカに自分の情報をカミングアウトされて五月に処刑されるか・・・・・・。
「(別に適当にやればいいか・・・・・・)」
隼がそう考えた矢先、タカがこう付け足した。
「あぁそう、適当にやっても"あの事"バラすから」
「・・・タカ、お前ってそんなキャラだったか?」
もう逃げられない。隼は真面目にやることを決意した。



続く・・・
明日は普通の記事です。



最近は「バンジョーとカズーイの大冒険2」の実況動画にハマってましてね、64のゲームなんですが完成度が高いんですよ。
俺も昔、友達の家でやっていた記憶があります。当時は幼稚園か小学生だったので謎解きはできませんでしたがねw
ふと懐かしのゲームの実況動画・・・見てみると昔の記憶がよみがえることもあるかもしれませんよ?
つかあれですね、昔のゲームの神ゲー率が半端ないですね、「MOTHERシリーズ」然り「FF1〜10」然り・・・まぁ人によるんでしょうが