『モモ』其の壱拾伍 「猿江、感じ取る」

「殺意と同情をどこからか感じ取ってしまいましたわ・・・」
背筋が震え、五月は気温とは関係ない寒さを感じた。どこからともなく感じた決して相容れる存在ではない殺意と同情・・・これは、何かの予兆!?五月が辺りを警戒していると、モモが不審な目を向ける。
「・・・・・・何かよくわかんないけど、もうすぐ着くよ〜?」
「はっ・・・!そ、そうですわね、このあたりの道は私も知ってますわ」
モモと五月の二人は見慣れた景色の中を歩いていた。ようやく地元(?)に帰って来れた安心感もあり、モモはともかくとして五月は気分が良かった。しかし先程感じた殺意と同情・・・一体何だったのだろうか?
しかし、気にしていても仕方がないというかきりがないので深く考えるのは止した。
「・・・にしても随分と遠回りでしたわね」
「そうだね、橋を渡れてたらこんなに時間がかからなかったのに・・・」
特に寄り道も迷いもしなかった女子組は案外アッサリと目的地に辿り着けそうである。


はてさて一方、ゲームセンターで時間を浪費していた男子組はというと・・・
ようやく土手の川裏に出たところだった。
「ふぅ・・・ようやくここまで来たね」
「何言ってんだ、ようやく三分の二くらいだぞ。もっと速く動いていればもっと早くここまで来れたのに」
「・・・ゲームセンターで時間を浪費していたのはどこの誰さ?」
「それは・・・俺は悪くない、あんなところにゲーセンがある方が悪いんだよ!」
「いや施設は悪くないでしょ・・・」
口論しながら二人は天端に上り、見覚えのある橋を後ろに見た。
「・・・ここから工事中の橋まで一キロってとこか?すぐじゃん!タカ、自転車乗ろうぜ!」
「良いよ、この自転車を乗りこなせるのなら」
言ってタカが差し出した自転車はフレームの塗装は剥がれ、チェーンも外れ、両輪が無くなっており、ギアも可動せず、ブレーキは変な方向に折れ曲がっていた。十分前よりかなり酷くなっている。この十分間の間に何をどうしたらこうなるのだろうか?というかこれは最早自転車ではない、ただの鉄くずだ。さすがの隼も顔を引きつらせ、一歩引いた。
「これ何!?What is this!?」
「"かつて自転車だった物"・・・?乗れるもんなら乗ってみな!」
「すいません無理です、生意気言ってすいませんでした・・・」
『鬼ヶ鳥』に着いたら恐らく五月に処刑され、家に帰れば親に激怒されること間違いなし、果たしてこんなタカに救いの手はあるのだろうか?
2人は仕方なく徒歩で向かうことにした。



続く・・・
女子組は平和的に何事も無く『鬼ヶ鳥』に着きそうですw
一方男子組にはバッドエンドしか残されてないようですw
自転車ww


明日からまた五日間学校です。これが十二月まで連続するのか・・・こうして一年があっという間に・・・今年中に持ち込みできるかな・・・?