「希望の翼」 ♯兄ノ言葉

人というモノは自分のしたことの間違いに気づくまでかなり時間がかかる。
例えば"いじめ"。
被害者が自殺してしまうと、加害者はようやく自分の過ちに気づくのだ。それまでは決して気づかない、心が気づこうとしない、今の快楽をただ楽しむだけ・・・・・・止められるのはいつだって第三者なのだ。
過ちに気づき、反省したそれを"後悔"という。
人は愚かだ。人は鈍感だ。人は哀れだ。
『・・・ふーん、成程ね』
アルタイルの話をデネブはただ頷きながら聴いていた。アルタイルは頭に浮かぶ自身の悩み、考え、思い・・・すべてを兄にさらけ出した。それはとてもわがままで、無理があって、解決するのはかなり難しいものばかりだった。
『つまり、アルタイルは"人が人に関わる"ことが理解できないんだ?』
『というよりも、お前が言っていた"絆"、"心"、"命"の輪・・・つまりは"人生"ってのがわからない』
『・・・・・・。』
"人生"と言う大きな輪の中で生きていくにつれて、自身の存在がその大きな輪に埋もれてしまうことがある。そうして生まれる疑問はこれだ。
自分は何者で、何のために生きているのか?
一見、答え難い問いだが、しかしその答えはとても単純である。
自分は自分で、生きるために生きているのだ。
しかし、こんな単純な答えで納得できるほどアルタイルの悩みは浅くないのだ。
自分は星の戦士になる資格が無い、なっていいような人物ではない。
彼は本心からそう言っていた。自分を見失い、将来を失くし、絆を知らないアルタイルに残るのは一体何であろうか?
『・・・アルタイル、君が星の戦士を目指している動機は"僕に誘われたから"なんだよね?』
デネブは一呼吸おいてからアルタイルに問うてみる。
『ああ、興味本位で目指してみただけだ。"世界の秩序を正す為"なんて、そんなことはこれっぽっちも考えていなかった。』
"面白そうだから"という理由・・・それは今まで"デネブに誘われたから"という理由のカバーで隠されていたが、自分を見失っていく過程でどんどん浮き彫りにされていった事実だ。



『いいんじゃないの?その動機で目指したって』



『・・・・・・は?』
デネブの言葉にアルタイルは再び目を丸くする。
『"世界の秩序を正したい"からという理由は結局、それが最終目標でしょ?だったら"面白そうだから"っていう理由の方が、それが面白かった場合のみ最終目標を多く見つけられるかもしれないじゃん?"世界一強くなる"とか"宇宙中を回る"とか・・・そういう目標が君の中で見つかるかもしれないよ?』
『星の戦士っつうモノがつまらなかったら?』
『つまらないわけないじゃん!星の戦士は絶っっっっ対面白くて楽しいものに決まってるよ!!僕が保証するからさ!』
そんな無責任なことをいわれても困るのだが・・・・・・面白いと思うか否かは人によるだろうが・・・。
『うん、アルタイルが星の戦士を目指す理由は"面白そうだから"で決まり!これから一緒に頑張ろー!!』
『ちょ・・・おい、はぁ・・・もういいよそれで』
解決していない問題は他にもある。アルタイルはそういうことでとりあえず納得する。デネブは区切りのつもりなのかペットボトルのお茶をグイッと飲む。
『まぁどんなにグビ、授業がつまんなくてもゴク、行かなきゃゴキュ、卒業証書は貰えないからね、ゴクン、ちゃんと行きなよ。』
喋るか飲むかどちらかにしろよ・・・アルタイルはデネブがお茶をのどに詰まらせてお茶を床に吹き出しやしないかハラハラしながらそう思った。
『さてと・・・』
デネブはペットボトルを床に置く。
『次は人生についてだね・・・』



・・・続く!!
デネブの人生相談・・・24時間365日年中無休で受け付け中!!(嘘)



さて、今日の野球の試合の結果が色んな意味で楽しみだ・・・結果は明日の朝刊でわかります   ク<・><・>ワッ


八日間連休五日目
今日は蒸し暑かったorz
でも家でゴロゴロしてましたw
あれ、ずっとゴロゴロしてるなw