「希望の翼」 ♯2人ノ出会イ

久々に天界に戻ってきた。団長いわく、戻ったらしばらく休んでいいそうだ。少しの間だがゆっくりできる。
アンタレスは天界の街を散歩していた。久しぶりの故郷、たまにパーッと息抜きするのもいいかもしれない。
しかし、そんなアンタレスには束の間の休息も訪れなかった。
「大変だぁぁぁぁ!」
男性の市民が突然走ってきたのだ。アンタレスは一目散に走ってきた市民を止める。
「どうした、何があった?」
「あそこの森の木が所どころ粉々になってるんだよ!本当に小麦粉みたいに粉々なんだ!!あんなこと、天界の獣だってできやしない!」
森?アンタレスは男性が指した方角を見る。あそこに森なんてあっただろうか?しかし、とにかく行ってみるしかない。
「とりあえず、みんなは建物の中に入っていてくれ。俺が様子を見てくる!」
アンタレスはそう言うと森を目指して走って行った。



男性が指した方向をひたすら走っていると、森が見えてきた。その森は普段、誰も立ち寄らない未知の森だった。
「なるほど、ここは俺たちでも入ったことがない森か・・・」
アンタレスが森に足を踏み入れようとする。すると、コォォォン、と何かを軽く叩いたような音が響いた。直後、森の中心部あたりから煙が上がった。
「・・・あれか」
アンタレスは迷わず森の中に入っていく・・・
進んでいくと一部が粉々となった気が見受けられた、明らかに獣ではない"なにか"がやった跡だ。その証拠を裏付けるように粉々となった跡の形が我々星の戦士の手形と一致しているのだ。
「・・・・・・星の戦士の能力・・・か?」
そこらに粉が散らばっている。ただの砂かと思いアンタレスは手に取ってみたがその一粒一粒がサラサラしていて砂浜の砂のように軽く、匂いもちゃんと木の匂いだ・・・・・・普通の人にこんな真似は出来ない。だが、こんな真似ができる能力の持ち主なんて聞いたことがない。
アンタレスは次第に不安になっていった。まさか・・・ダークマター族が再来したのでは・・・という不安が彼の頭をよぎり始めていた。何にせよ、何者なのか確認しなければならない。アンタレスはそう思い、更に先に歩み始めた。
そして10分ほど枝をかき分けながら進んでいくと、コォォォン、と先程の音と同じ音が鳴った。直後、ブワァァァァッと大木をも揺るがすような突風が吹いた。
「ぐっ!?何・・・だ、この風・・・は!?」
突然の風にアンタレスは耐え切れず、体が少し宙に浮いた。太い枝を掴んで吹き飛ばされずにはすんだが、風が運んできた砂埃が目に入り、目が開けていられなくなった。風が止むと、アンタレスの体が地面に落ちるが、何とか受け身を取る。
アンタレスは風が吹いてきた方向をすかさず見ると前方に人影が見えた。その人影を確認すると、アンタレスはすぐに走り出した。風が再び吹く前に何としてもアイツに近づかなければ・・・ここは普段誰も入らない森、つまり犯人はアイツしか考えられない。
「おい、お前!」
アンタレスが声をかけると人影はこちらを振り向いた。
その顔は、まだ幼かった。目は普通より少し垂れていて、額に第三の目だと思われるものがある。
アンタレスは無事に彼のもとに辿り着くと、彼の肩に手を置いた。子供の体が一瞬ビクッと震える。
「おい、こんなことをしたのはお前か!?」
アンタレスが叫ぶと、子供の目が潤み始める。
「何・・・を?」
子供の目に涙が浮かんだ。アンタレスは「うっ」と少し反省・・・・・・。
「す、すまん・・・君、名前は?」
とりあえず落ち着いて名前から訊こう。アンタレスは肩から手を離し、声のボリュームを下げる。
「ぐす・・・オリオン」
「オリオン・・・ね」
聞いたこともない名前だが、まぁ一般の子供らしいから自分が知らなくて当然だ・・・アンタレスはそのまま質問を続ける。
「どこから来たの?」
「・・・わかんない」
「・・・・・・えっと」
他にもいくつか質問しようと思ったのだが、その質問の答えを聞いた瞬間に全てが詰んだ。どこから来たのかもわからないとなるとこれから質問しても大体「わからない」で返ってくるだろう。
とりあえず森を出よう。アンタレスはそう思い、一度空を見上げる。先程の突風のせいでほとんどの葉が飛んで行ってしまい、空が丸見えだった。
「家の場所、わかるか?」
アンタレスはオリオンの方に向き直り、問う。
「ううん」
オリオンは顔を横に振る、アンタレスは一気に困った。家の場所もわからないなんて、一体何をすればそんな大事なことを忘れることができるんだ?しかしそう考えるときりがないので「まぁ、まだ子供だから」ととりあえずそれで納得しておこう。アンタレスはオリオンの手を握り、翼を広げる。
「(神殿で引き取ってもらうか・・・)」
「ねぇ、どこいくの?」
オリオンは翼をパタパタとさせながらアンタレスに問う。その目はアンタレスのことを信頼しきっている。アンタレスはその目を見ると少し微笑んだ。
「神殿だよ、それくらい知ってるだろ?」
「・・・・・・」
オリオンは黙って下を向いてしまった。アンタレスは特に気にせずオリオンの手を引き、地面を蹴る。2人の体が宙に浮き、森より高く舞い上がる。
2人は神殿に向けて飛び始めた。
「・・・おにいちゃん、なんていうの?」
「ん・・・アンタレスだ」
アンタレスは少し照れくさそうに答える。「おにいちゃん」なんて呼ばれるのは初めてだからだ。
「でも『おにいちゃん』はやめてくれ、なんか恥ずかしいから」
何百年か生きているが、下界の人間の年齢でいうとまだ15、6歳だ、その歳で「おにいちゃん」と呼ばれるのは恥ずかしい。
「じゃあ、アンタレスでいい?」
呼び捨てかい・・・まぁいいけど、そのほうが気が楽だし・・・。
2人はゆっくりと神殿に向かっていく。アンタレスも久々の天界の風を体全体に受けながら今後のことを考える。
これから何しようか・・・?




To be continued…
こうして『USDXな物語』の名コンビが生まれたのでした・・・。
しかし、知ってる人は知ってるけど・・・アンタレスはこの後・・・・・・orz




今日はMy room(一部)を大公開!!

これは俺が普段勉強や絵を描いている机。
おや、何か描きかけで置いてありますねw
名前が書いてあるのはほぼ消しておりますのでご安心をw




これは机の隣に置かれている本棚です。ほぼ漫画で埋め尽くされてますw
おや、『DS lite』が置いてありますね、これはもうアラーム用といっても過言ではないものですw
この漫画はただ読むためのものではなく、資料としても使ってます。結構な頻度で使ってますよ。